うれしくて書かずにいられませんでした。職場の人から、抗がん剤治療を経てがんが消えたとの報告。
さて、ぼくの職場では、おととしにがんで入院手術して、そしていったん復帰したんですが、その後最近になって再発した方がおられます。
彼はおととしの夏に人間ドックを受けた際、自分から「なんか喉がおかしいんです」と医師に訴えて初めて食道のがんがわかったんです。
もしその時に訴えなかったらもしかしたら手遅れになっていたかもしれないので、結果的には言って良かったということになります。
で、その後抗がん剤治療をして、手術をして、いったん復帰したんですが、のどに違和感が再び出てきて、検査の結果、がんが再発していることが今年になって判明しました。診断によると、がんが大きくなっているので、手術することは困難だということのようでした。
その時は本人も肩を落とし、ほんとに気力をなくしているようでした。しかし、今回は食道のがんに対してピンポイントで効果のある抗がん剤の治療をすることになって、一定の効果がありました。
治療と治療の間はいったん退院するので、報告のために職場に来られていたんですが、体はやせて、表面的には気丈にふるまっているんですが、その辛さは隠し切れない感じでもありました。
そして、2週間ほど前。4回目の抗がん剤治療を終えて退院してきた際に、職場に来られたときです。彼が言いました。
「抗がん剤がかなり効いていて、腫瘍がずいぶん小さくなっている。前は2回目の手術は難しい言われていたが、腫瘍が小さくなっているので手術できる」
とのことでした。
しかし、手術には大きなリスクがあるというのです。
まず、声が出せなくなる可能性が高いということ。次に、嚥下障害が出て、普通に食べることも難しくなる可能性がある、ということでした。
そのようなリスクがあったのですが、彼は手術の選択をする決断をしたんです。というのも、もし手術をしなければ、余命1年あるかないかと言われたからだそうです。
手術ができるようになったのはよかったんですが、そのリスクは非常に多くのものを失う危険性のあるものでした。
その時に彼は、職場の仲間やアルバイトの方に対して、自分の病状のこと、手術のこと、手術のリスクのこと、そしてみんなに迷惑をかけていて申し訳ないことを、涙ながらに伝えられました。
そして、それから2週間ほどたった先週のことです。
ぼくは席を外していて会えなかったんですが、彼が職場に来たそうなんです。そして、言ったということです。
「もう手術しなくてもよくなった」と。なぜなら、「退院後PET検診をして、今日結果が分かったんだが、がん細胞はもう消滅している、と医者に言われた。なので、手術する必要がなくなった」とのことだったらしいです。
本人は、もう前とはうって変わって晴れ晴れとした表情だったようです。これまで、食べ物も喉に通らなかったのに、今日はトロサーモンを食べたと言っていたらしいのです。
それを聞いて、ぼくは、驚きとともに、心底よかったなあ、と思いました。職場にはいろいろと問題があるんですが、それを聞いたときはすべてを差し置いて、素直にうれしく感じている自分がいました。
声も思わず大きくなっていたと思います。
いやー、こんなこともあるんですねー。本当に良かった。何度言っても足りないくらいうれしかったです!
そのあとの帰宅途中、電車を降りてスマホを見た時、彼からメールが届いてました。その文面からも、彼の喜びがにじみ出ていました。うれしそうな顔がまざまざと目に浮かぶようでした。そしてぼくもすぐさま返信しました。普段は返信が遅いぼくなんですが、あふれる気持ちを抑えられず、すぐに思うままを返信してましたね。
もちろん、まだ治療は続けるようなんですが、無理せず、そして早く復帰できるよう祈っています。
いやー、でも本当に良かったです(^^)